薬局だより
口内炎について
薬局 薬剤師 大塚 亮
誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか?お口のトラブルの一種、口内炎。
一度出来てしまうとなかなか治らず、食事するにも歯磨きするにもしみて、厄介なものです。今回は口内炎の原因、対処法などをご紹介したいと思います。
<原因>
●偏食による鉄分やビタミンの不足
●ストレスや睡眠不足
●唾液の不足、口腔の乾燥
●口腔内の不衛生
●歯磨き粉成分による粘膜の損傷
●不正咬合(※)や、歯ブラシなどによる粘膜への物理的刺激(口内を噛むなど)
※顎顔面・歯などが、なんらかの原因でその形態や発育、機能に異常をきたし、その結果、正常な噛み合わせ機能を営み得ない状態の総称
<症状>
●痛みや出血、腫れ
●飲食時にしみる、物が飲み込みにくい
●味覚が変わる、口の中が乾燥する、口が動かしづらい など
<治療(薬物療法)>
●口腔用軟膏、ゲル、貼付剤:口内炎などの患部に塗布し、薬効や保護作用を期待
デキサルチン口腔用軟膏、デスパコーワ口腔用クリーム、ワプロン口腔用など
●殺菌消毒薬:口腔内の清掃・殺菌・除臭などの目的。
イソジンガーグル液、アズレン含嗽用散、SPトローチなど
<自分で出来る予防方法>
①ビタミン不足を防ぐ
バランスの取れた食事を摂ることが大切です。ビタミンは、野菜や果物に多く含まれています。特に緑黄色野菜を積極的に摂るように心がけましょう。ビタミン剤などの、医薬品やサプリメントを使用するのも良いでしょう。
②ストレス、疲れを溜め込まない
体力の低下・ストレスは、口内炎だけでなく、いろいろな病気の要因になります。定期的にストレスを発散させ、規則正しい生活を送るように気をつけましょう。
③口の中を清潔に保つ
食後は必ず歯磨きをし、イソジンなどの殺菌剤でのうがいが効果的です。また、唾液の分泌量が少ないと口の中が乾きやすくなり、口内炎になりやすいといわれていますので、水やお茶をこまめに摂り、口の中を潤したり、唾液分泌増進の口や舌の体操をするなどの対処をしましょう。入れ歯や矯正器具などの定期的な手入れも重要です。
*口内炎は、今飲んでいる薬の副作用の可能性や、大きな病気の初期症状の1つとしてできることもあります。 治りにくい場合は、他の疾患が隠れていることもあります。中には、重大な疾患もありますので、口内炎を繰り返したり、長引く場合は我慢せずに病院で診察を受けましょう。