薬局だより
糖尿病の薬について③
薬局 薬剤師 大塚 亮
膵臓からのインスリン分泌は「基礎分泌」と「追加分泌」に分けられます。
・・・24時間ほぼ一定量が出続けるもの。
・・・食事などによる血糖値の上昇に対応してタイミングよく出るもの。
○インスリン療法を行うときは
●飲み薬を服用しているのに血糖コントロールがよくない
●薬の副作用やアレルギーなどで、飲み薬を服用できない
●著しい高血糖である
●妊娠中(または妊娠希望時)・授乳中 など
【インスリン製剤の主なタイプ】
インスリン製剤には、作用発現、持続時間などによって「超速効型」、「速効型」、「中間型」、「持続型」があり、また、それら混ぜ合わせた「混合型」があります。
【注射の仕方】
●速効型インスリンは食事の20~30分前、超速効型は食事の5~10分前に注射します。
●注射に適した部位はお腹、上腕、おしり、ふとももなどです。通常は、吸収が早くて安定している腹部にするのが最適です。
●皮膚をアルコール消毒した後、軽く皮膚をつまんで注射してください。
●混濁したインスリンは注射前に混ぜて均一にしましょう。
【空打ちを忘れずに!】
実際に注射する前に、まず2単位にセットして空打ちをして、全てが正常に作動することを確認しましょう。
*空打ちには次のような目的があります。
1.注射針内の空気を抜く。
2.針が詰まっていないことを確認する。
3.針が正常に装着されていることを確認する。
4.過量投与を予防する。
【保存方法】
●凍結を避け冷蔵庫に保存しましょう。万一、凍らせてしまった場合は、一定の効き目が得られなくなるので、溶かしても使用できません。
●一度、使用したインスリンは室温で保存します。
●使用した針は外来に持って行きましょう。
今月はインスリンについてお話ししましたが、自分がどのタイプのインスリンを使っているのか、どのくらいの単位を注射するのか、何回注射するのかなどよく理解しておくことが大切です。また、インスリンの使い方が不安な方は薬剤師、または看護師に相談しましょう。