健診ナビ
胃の検査について①
健診センター 看護師 佐藤 史穂
今回は、胃の検査についてお話します。胃の検査には胃のエックス線検査(上部消化管エックス線検査)と胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)があります。今回は胃のエックス線検査(上部消化管エックス線検査)についてお話します。職場の集団検診などで受ける胃のエックス線検査はバリウムを使った造影エックス線撮影が行われます。多くの人が何度も経験している検査ですが、この検査について意外に知らないこともあるのではないでしょうか。
<胃のエックス線検査の行いかた>
胃のエックス線検査は胃の中を空にした状態で行う必要があるので、検査の12時間ほど前から飲食を避けます。検査の際は検査着に着替え、身につけている金属類を外します。そして造影剤のバリウムと胃を膨らませる発泡剤を飲み、透視台に乗ります。機械で透視台を傾けたり、検査を受ける人自身に体の向きを変えてもらったりしながらさまざまな方向からエックス線撮影を行います。
<検査を受けるときのポイント>
発泡剤を飲むとゲップをしたくなりますが、せっかくガスで膨らませている胃がしぼんでしまうので、できるだけ我慢をしてください。
検査後、バリウムの排出を促す下剤を必ず内服し、水分を多めに摂るようにしてください。
<検査でわかること>
胃の造影検査でエックス線写真に白く写し出されているのは、胃の内壁に付着したバリウムで胃の内側の表面の形状をバリウムでなぞっているようなもので、これによって胃の全体の形、内壁の出っ張り、へこみ、引きつれなどがわかります。所見として胃・十二指腸潰瘍、ポリープ、腫瘍の疑いがわかり、確定診断には内視鏡検査が必要になります。
Q.検査前には飲料がいけないのはどうして?
A.胃のエックス線検査を受ける際には、事前の注意点として、検査当日の朝食を抜き、一切の飲食をしないようにといわれています。「食べ物が胃に入っていては検査しにくいというのはわかるが、飲み物ならかまわないのではないか」と思う人もいるようですが、牛乳、ジュースなどの飲料は成分によって検査に支障がでる場合があります。
*次回は胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)についてお話します。