薬局だより
インフルエンザについて
薬局 薬剤師 大塚 亮
2月に入りインフルエンザで受診する患者さんが増えてきています。皆さん体調を崩されていないでしょうか?今月はインフルエンザの治療薬、予防法などをお話したいと思います。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスがのどや気管支、肺で感染・増殖することによって発症する病気です。潜伏期間は1~3日間です。
【治療薬】
インフルエンザの薬物療法には、「ノイラミニダーゼ阻害薬」と呼ばれる抗インフルエンザウイルス薬を使用します。
●タミフル ・・・・・・
1日2回、5日間内服します。
インフルエンザにかかった子供さんは、特に医薬品を服用していなくても異常行動を起こす可能性がありますが、10代の患者さんでタミフル服用後の異常行動の発現が報告されています。子供さんがインフルエンザに罹患された場合は目を離さないようにしてください。
●リレンザ ・・・・・・
1日2回、5日間吸入します。
●イナビル ・・・・・・
長時間作用するため1回の吸入で治療が完結するメリットがあります。
●ラピアクタ ・・・・・
特に重症で内服できない、吸入できない患者さんに有効です。
症状に応じて、連日反復投与が可能です。
*インフルエンザウイルスは増殖のスピードが速いため、症状が出現して48時間以内にウイルスの増殖のピークがきます。このため、48時間以内に服用しないとお薬(ノイラミニダーゼ阻害薬)の効果が現れにくくなります。ノイラミニダーゼ阻害薬は、ウイルスの増殖を抑えて感染の拡大を防ぐお薬なので、発症後できるだけ早く服用を開始することが重要です。
【予防方法】
①外出後の手洗い・うがい
手洗いは接触による感染を、うがいはのどの乾燥を防ぎます。
②マスクの着用
マスクは自己防衛だけではなく、家族・友人・同僚など大切な人に感染させないという役割もあることをしっかりと覚えておいてください。
③人ごみを避ける
病原体であるウイルスを寄せ付けないようにしましょう。
④十分な栄養と休養
体力をつけ、抵抗力を高めることで感染しにくくなります。
⑤適度な温度と湿度を保つ
ウイルスは低温、低湿を好み、乾燥しているとウイルスが長時間空気中を漂っています。 加湿器などで室内の適度な湿度を保ちましょう。
以上、インフルエンザについてお話してきましたが、インフルエンザウイルスは増殖のスピードが速いため、症状が急速に進行します。したがって、具合が悪くなったら単なる風邪だと軽く考えずに、早めに医療機関を受診しましょう。