フットケアについて
外来看護副主任心得 糖尿病療養指導士 村上 友美
近年、糖尿病人口の増加、高齢化、合併症の進行、動脈硬化性疾患の併発などを背景として、「糖尿病足病変」を発症する方が急激に増加しています。欧米での糖尿病足潰瘍の有病率は糖尿病人口の4~10%と推定されており、非外傷性の下肢切断の70%は、糖尿病患者さんに実施されていると報告されています。日本では、欧米と比較して下肢切断の既往を有する患者さんは少ないのですが、将来は欧米の水準に近づくと予想されています。糖尿病足病変は、様々なことが重なりあって発症し、初めはごく小さな怪我でも、想像以上に悪化してしまうことがあります。
さらに、高血糖になると、細菌や真菌(水虫)などの感染に対する抵抗力が低下するため、傷口の治りが遅くなる場合もあります。このような状態が続くと、潰瘍ができて黒く変色したり、足にえぐれたような傷ができたりする糖尿病足病変を発症してしまうことがあります。
糖尿病足病変を予防していくためには、糖尿病と足の関係を知り、日頃から足に関心をもってフットケアを行うことが大切です。
●足を守るために・・・
1.毎日こまめに足をチェックする
2.入浴時のポイント
1.湯船に入る前には、必ず手で湯加減を確かめる。(熱い湯に気付かずに火傷をしてしまうことも。)
2.やわらかいタオルやスポンジで、足の裏や指の間も丁寧に洗う。
3.足がふやけるほどの長風呂はしない。ふやけた皮膚は傷つきやすい。
4.入浴後は水分をしっかりふきとり、クリームを塗って、皮膚の乾燥を防ぐ。