薬局だより
花粉症について
薬局 薬剤師 大塚 亮
3月に入り、これから花粉が多く飛散する季節になってきます。毎年、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどに悩まされている方も多くいらっしゃると思います。今や日本人の4人に1人が花粉症と言われ、特に今年は、非常に多くの花粉が飛散すると予想されています。今回は花粉症についてお話したいと思います。
【花粉症とは?】
花粉症は、植物の花粉が原因となって起こるアレルギーの一種です。人間に元々備わっている異物に対する免疫という防御機能が、本来無害であるはずの花粉に対して過剰に反応し、花粉症の症状があらわれます。
【治療薬】
●抗ヒスタミン薬(経口薬・点鼻薬・点眼薬)
くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどを引き起こすヒスタミンの作用をブロックします。人よって眠気が出ることがあるので車の運転はなるべく控えましょう。
●ケミカルメディエーター遊離抑制薬(経口薬・点鼻薬・点眼薬)
花粉が体内に入ったとき、アレルギー症状を引き起こす体内物質(ヒスタミンやメディエーター)が出るのを抑える薬です。
●抗ロイコトリエン薬(経口薬)
鼻づまりの原因となる鼻粘膜の腫れを引き起こすロイコトリエンが、免疫細胞から放出されるのを抑制する薬です。
●血管収縮薬(点鼻薬)
アレルギー性鼻炎の治療の際に鼻に噴霧する点鼻薬で、粘膜の血管を収縮させて粘膜の腫れを取り除くことで、鼻づまりに効果を示します。使い過ぎると鼻づまりが強くなるときもあるので、1日1~2回で夜寝る前に使うのが基本です。
●ステロイド薬(経口薬・点鼻薬・点眼薬)
主に症状が強いときに使われます。免疫反応を抑え、どのタイプの症状にも効果がみられます。
●アレルゲン免疫療法(脱感作療法)
花粉のエキスを濃度を少しずつ上げながら注射して、身体を花粉に慣らす(花粉に対し防御する免疫を獲得する)ようにさせる方法です。
*花粉症は、症状が出る前や比較的症状が軽いうちに治療を開始することをおすすめします。前もって薬を使用することで、症状が出る時期を遅らせ、花粉が飛ぶ最盛期の症状を軽くする効果が期待できます。また、マスクの着用や花粉飛散の多い時間帯(午後1時~3時頃)には外出を避けるなど、花粉が体内に入ってこないように工夫することも大切です。