ワンポイントリハビリ
息切れでお悩みの方に!
リハビリテーション科 理学療法士 前田 里美
“息切れ”は、呼吸器疾患のある方に多くみられる症状です。息切れは日常生活を制限し、さらには生活の質も低下させてしまいます。
今回は息切れを軽減するための呼吸方法と動作の方法を簡単にお話します。
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口すぼめ呼吸
→鼻から息を吸って、口をすぼめて息をゆっくりと長く吐き出す呼吸です。
口をすぼめて息を吐き出すと、気道の圧力が高くなり、細くなった気管支が広がって、肺にたまった古い空気が外に出やすくなり、新鮮な空気を吸う準備ができます。
1.鼻から息を吸う
2.口をすぼめながらゆっくり息を吐く。
3.吐く際は、吸うときの2倍の時間をかけて吐くようにする。
※この呼吸法を行っても息切れなど、呼吸困難感に変化が認められない場合はすぐに中止してください。
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横隔膜呼吸(腹式呼吸)
→肺の下にある、横隔膜を上下に動かして行う呼吸です。
肺のすみずみまで新しい空気が吸い込まれ、古い空気が吐き出されます。体力を消耗せず、効率の良い呼吸ができます。
※この呼吸法を行っても息切れなど、呼吸困難感に変化が認められない場合はすぐに中止してください。
→呼吸法が習得できたら、座位や立位でも同じようにできるよう練習していきます。
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動作への応用
【ポイント】
*息を吐くのに合わせて動作を行う(息をこらえない)。動作はゆっくり行う。
例)歩行:呼吸のサイクルと歩数を同調させることがポイント!!吐くのに合わせて歩き始める!!
呼気(吐く):吸気(吸う)=2:1であれば4歩で吐いて、2歩で吸う。
※健康状態によって、適切な運動量は異なりますので、決して無理に行わないようにしましょう。息切れ等の気になる症状がある方は、まずは主治医にご相談ください。