脳梗塞が増えています!
脳神経外科 奥山 澄人
今年もまた暑い夏がやってきました。6月~8月、脳神経外科病棟では脳梗塞が増える時期です。脳梗塞は脳血管が閉塞することにより、脳細胞が壊死してしまう病態でありますが、これを予防するにはどのようなことに気をつければよいでしょうか?最近の研究では10種類の改善可能な危険因子により脳卒中(脳梗塞、脳出血)の90%が説明されるそうです。
最も強く関連したものは①高血圧です。2.5倍、脳卒中になる確立が高くなり、特に160/90mmHgを超える場合はさらに危険であるようです。引き続き、②喫煙、③腹部肥満(ウエスト>ヒップ)、④不健康な食習慣、⑤運動不足と続きます。ここまでの5つで脳卒中の80%が説明されます(脳梗塞の80%、脳出血の90%)。さらに⑥糖尿病、⑦お酒、⑧心疾患(心房細動、心筋梗塞、弁膜疾患の既往)、⑨高脂血症、⑩心理的因子(ストレス、うつ)と続き、これらを加えることにより90%の脳卒中が説明されるそうです。
これらに思い当たる方は動脈硬化が進行している可能性が高いです。特に夏場、汗をかくことで水分を喪失して、血液が濃縮され簡単に脳梗塞を招いてしまいます。この季節、水分摂取には特に注意をお願いしたいです。
さらに心配な方には一度、脳検診をお勧めします。脳検診は動脈瘤や脳腫瘍のみならず、脳梗塞を引き起こす血管病変も検出できます。車の車検は2年に1回、6~10万円を皆さん払われているのではないかと思います。脳検診は1回2~6万円の費用がかかります。これは高い金額でしょうか?当院での脳検診は2万2千円となっております。是非、一度受診されることをオススメします。