薬局だより
薬と食べ物①
薬局 薬剤師 梶原 光太
この季節になると食べたくなるのが「うなぎ」ですね。また、夏バテを解消するには「梅干し」を食べると良いとも言われています。しかし、昔から「うなぎと梅干し」は良くない食べ合わせと言われていますが、それはなぜでしょう?諸説あるようですが、梅干しにはうなぎの油分の消化を助ける働きもあり、一緒に食べても問題はないそうです。
薬の中にも、ある食べ物とは一緒に服用してはいけないとされているものがありますのでご紹介します。
●ワーファリン + 納豆
ワーファリン…血栓が形成されるのを防ぐ薬。血液中の血液凝固因子と呼ばれる、血液を固めるために必要な物質が体内で作られるのを防ぐ。
血液凝固因子の中にはビタミンKを利用して作られるものがあり、ワーファリンは体内でビタミンKの邪魔をすることで凝固因子が作られるのを防ぎます。しかし、ワーファリンを服用中に納豆のようなビタミンKを多く含む食品を食べてしまうと、ワーファリンの効果が弱まってしまいます。
納豆の他には、クロレラや青汁などもビタミンKを多く含んでいるため、ワーファリン服用中には摂取しないようにしましょう。
●ある種の高血圧薬など + グレープフルーツ(ジュース)
一般に服用した薬剤は、腸管から吸収される際に薬剤を分解する酵素が作用し、吸収される量が減少します。グレープフルーツはその酵素を阻害するため、服用した薬剤は分解されずにそのまま吸収されることになります。そのため、副作用が現れる可能性が増えますので注意が必要です。
この影響を受けやすい薬剤は数多くありますので、一例を載せておきます。
高血圧薬(カルシウム拮抗薬と呼ばれる高血圧薬)…アダラート、カルブロック など
抗てんかん薬…テグレトール
抗血小板薬…プレタール
脂質異常症治療薬…リピトール など
酵素を阻害する成分はグレープフルーツの果肉部分に多く含まれていることが分かっていますので、上記のような薬剤を内服中の場合は果肉やジュースの摂取は控えましょう。
またグレープフルーツ以外にも上記のような薬剤に影響を与える柑橘類がありますので、下記を参考にしてみてください。
影響を与えるもの…スウィーティー、ザボン、ブンタン、バンペイユ、ダイダイ など
影響を与えないもの…バレンシアオレンジ、レモン、かぼす、温州みかん、スイートオレンジジュース など