ワンポイントリハビリ
日常生活動作におけるひと工夫 ~排泄環境の工夫~
リハビリテーション科 理学療法士 阿部 功
排泄は介助する側・される側共に気を遣う、自尊心に非常に関わりの深い行為です。リハビリテーションでは、ここで紹介するひと工夫を踏まえながら、できる限りご自分で用を足して頂けるように支援をしています。
【トイレ】
●手すりの取り付け
手すりの形状、サイズは様々ですが、わずかな取り付け位置の違いで動きやすさが格段に変わります。普段からどこに手をつきたくなるか、実際にトイレで動いてみて取り付け位置を決めましょう。取り付けが困難な場合は、工事不要の「据え置き式手すり」(図1)がお勧めです。
●便座の補高け
便座から立ち上がるのが大変ならば、便座の高さを上げる手もあります。便座に上置き固定するもの(図2)、便器・便座間に挟み込むもの、便座ごと交換するもの等があります。
【ポータブルトイレ】
トイレでは移動が大変だったり、介助のスペースが確保できない場合はポータブルトイレをお勧めします。手すりや座面の高さを調整できるものや消臭機能付き、シャワー洗浄機能付きのものもあります。特定の場所で使う場合はしっかりした作りのものがお勧めですが、日中と夜間で使用場所を変える場合は、キャスター付きや軽めのものが良いでしょう。ベッド脇で使用する時は、台座部分が起立や歩行の邪魔にならないか確認して配置しましょう。
【尿器】
特に夜間、トイレに間に合わない経験がある方には尿器の使用をお勧めします。女性が自力で使用する事は難しいですが、受尿口の形状が工夫された女性用もあります。また、数回分の尿を溜められるタンク付きの尿器(図3)を使うと、トイレに尿を捨てに行く手間が軽減します。
*排泄環境等についてご相談ありましたら、気軽にリハビリテーション科職員にお声がけください。