心臓病 ~こんな症状はございませんか?~
副院長兼循環器科科長 寺嶋 正佳
心臓病は突然死につながる重大な疾患ですので、予防や早期発見が非常に大切です。心臓は全身の臓器に血液を送りだす重要な臓器であり、たった1回の発作が致命傷となります。
心臓病として代表的な不整脈や心不全、心筋梗塞、狭心症を疑わせるような症状には次のようなものがあります。
1 不整脈
動悸(ドキドキする、脈が強く打つ感じ、脈がときどきぬける)、脈のリズムや強弱が乱れる
動悸とともに急に目の前が暗くなったり、気が遠くなる、突然脈が速くなり急におさまる
脈が数えられないくらい速くなる
2 心不全
安静にしていても息切れがする、周りの人から動く時に呼吸が速くて苦しそうだと言われる
坂道や階段を昇り降りするときに息切れしやすくなった、息切れとともに胸の圧迫感がある
仰向けに寝ていると息苦しくて座った方が楽である、夜寝ていると息苦しくなって目が覚める
顔やまぶたの周囲がはれている、急激な体重増加を伴うむくみがある
3 心筋梗塞・狭心症
圧迫されるような胸の痛み、胸がしめつけられる、胸部の重苦しさ、体験したことがない胸痛、冷や汗を伴うような胸痛(を経験したことがある)、階段をあがるときなど動いた時に胸に違和感がある
あごから左腕にかけて苦しくなる
明け方に胸苦しくて目が覚める
多くの場合、通常の心電図検査や胸部レントゲン検査だけでは心臓病の初期段階に詳細な診断をすることはできません。自覚症状のない方であっても急性心臓病で致命的になることもあります。完全に予防することは困難ですが、少なくとも上記のような症状がありましたら、運動負荷心電図、冠動脈CT検査、冠動脈造影検査、心臓超音波検査、24時間心電図などの精密検査が診断の決め手になりますので、一度循環器科受診をお勧めします。