薬局だより
ワクチンについて
薬局 薬剤師 佐藤 夏美
ワクチンを接種すると、実際には病気にかからなくても病気の原因となる細菌やウィルスに対抗する免疫ができ、病気の発症を予防したり、症状を軽度ですませることができます。
●ワクチンの種類
*生ワクチン… | 病原性を限りなく弱くした細菌やウィルスをそのまま使い、それらが体内で増えていくことで免疫をつけます。自然感染に近い状態で免疫をつけられるので、免疫の力が強く、効果が長く続くと言われています。 例:麻疹、風疹、ロタウィルス、結核(BCG) など |
*不活化ワクチン… | 免疫をつけるのに必要な成分だけを細菌やウィルスから取り出し、病原性を消失させたり無毒化したもの。生ワクチンに比べると免疫のつき方は弱いため、免疫を高めるために決められた回数の接種が必要になります。 例:インフルエンザ、B型肝炎、肺炎球菌 など |
*トキソイド… | 強い毒素を出す細菌の毒素だけを取り出して無毒化したものです。 例:ジフテリア、破傷風 など |
●注意点
ワクチンの種類によっても異なりますが、発熱や接種部位の発赤・腫れ・しこり・発疹などが比較的高い頻度で現れます。通常、数日以内に自然に治りますので、心配はありません。ただし、高熱が出たり、なかなか腫れなどの接種部位の症状が消えない場合は、病院に相談をしましょう。また、接種直後は強いアレルギー反応(アナフィラキシーショック)が稀に現れることもあるため、30分程度は体調の変化に注意をしましょう。