認定看護師コラム
微生物と私たち
感染制御実践看護師 佐々木 みゆき
感染防止対策室に勤務する感染制御実践看護師の佐々木みゆきと申します。感染防止対策室とは何をするところと思われる方もいらっしゃると思いますが、主にインフルエンザや感染性胃腸炎、結核など細菌やウイルスなどの微生物が原因とされている疾患が入院もしくは外来通院される方々に拡大しないように予防や感染が拡大してしまった際の制圧を行うのが主な仕事です。
細菌やウイルスは非常に小さく目に見えないものです。細菌の大きさは1~5μm(マイクロメートル=1mmの1,000分の1)、ウイルスの大きさは20~300nm(ナノメートル=1mmの100万分の1)といわれています。そのような小さいものが知らないうちに体内に侵入し、感染を引き起こしてしまうのです。感染を起こすと発熱、発赤(赤くなること)、腫脹(腫れ)、痛みなどが現れます。しかし、細菌は病気を引き起こすものだけではありません。みなさんもご存知のように納豆、みそ、キムチ、ヨーグルトなどなど発酵食品といわれているものは細菌の力によっておいしくなっているものもあります。
人間は無菌ではありません。人の体の中にはたくさんの細菌が共生しています。ですから自分の体の中にいる菌が原因で感染症を発症してしまうこともあるため、うまく付き合っていくようにしたいものです。
そのためには体力を落とさないことも一つとなりますので、きちんと栄養の良いものをバランスよく食べ、睡眠を十分にとり、適度な運動も必要です。