ワンポイントリハビリ
杖の高さについて ~転ばぬ先の杖、杖の高さで歩きやすさが変わる?~
リハビリテーション科 理学療法士 後藤 隼人
加齢や病気の後遺症が原因で杖を使用して歩かれている方も多くいらっしゃると思います。その杖が正しい高さで使用されているか、杖の高さと歩きやすさついて今回はご紹介したいと思います。
杖の種類は一般的なT字杖や支持性に優れる四点杖、腕と手の部分で支えるロフストランド杖、足の骨折などで荷重をかけられないときに使われる松葉杖など種類も多くありますが、持ち手(握り)の位置の決め方はほぼ一緒です。
●杖の種類
T字杖
四点杖
ロフストランド杖
松葉杖
杖の握りは適度な高さに設定されていないと使いにくく感じます。長すぎる杖では支えとしては機能せず、逆に短すぎるのは、かえって力が入りすぎて、自身の足の力を生かせずバランスを崩す原因となります。
●握りの高さの決め方
①まずまっすぐ立ちます。次に杖を持つ側の足のつま先から前方15cm、外側に15cmの位置に杖をつきます。
②肘を軽く曲げた状態(角度30°)で握りを持つことができるように高さを調整します。
※高さの調整について
多段階式でプッシュロックを解除することで伸縮させるものもあります。またそういった機能のないものであれば杖自体を切断し調整する方法もあります。
姿勢によっても適正な長さは異なってきます。腰が曲がった方などは無理に背筋を伸ばして前述した方法で合わせると逆に使いづらくなってしまいます。自然に立った姿勢から肘をまげて持ち手に力を加えやすい高さが良いと思われます。また握りの高さを設定するための計算方法もあります。
(身長の半分+2~3cm)
適宜使い分けてみてください。
なお、現在杖を使用している方は杖先のゴムの部分を時々見てみてください。このゴム先がすり減っていたり、壊れていたりする場合は、転倒の原因となります。取り換えができる杖も多いので、ご相談ください。
杖の調整等に関して困ったことがありましたら、お気軽にリハビリスタッフまでご相談ください。