薬局だより
薬物乱用頭痛について
薬局 薬剤師 後藤 良
日々、頭痛に対して鎮痛薬を服用している方は沢山いらっしゃると思います。薬を飲んでいるのに、毎日頭が痛い。このような方は薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)の可能性があります。
●乱用とは?
国際頭痛学会の診断基準では単一の鎮痛薬は月に15日以上、その他の頭痛薬は月に10日以上で3ヶ月以上の使用が続く場合に「乱用状態」と判断します。
●治療について (原則として以下の3点です)
1.原因薬物の中止
服用回数が頻回(月10回以上) にならないよう適切にコントロールすることが重要です。また、市販の鎮痛薬の予防投与は控えましょう。
2.原因薬物中止後に起こる頭痛に対する治療
原因薬物を中止した後も、反動で強い頭痛が出現することがあります。その場合には別の治療薬で対処します。薬物乱用頭痛の場合には頭痛の頻度が減少してきます。
3.予防薬の投与
症例によって様々ですが、頭痛発作の回数や程度を軽くする薬剤もあります。
※病院等で診察を受けて頭痛治療薬をもらっている場合は、自己判断で中止せず、主治医の指示に従いましょう。
●治療後について
治療の成功率は70%程度といわれていますが、再発もしばしば認められます。頭痛が起こった日数、薬物使用日数を頭痛ダイアリーにて記録し、継続して乱用を防ぐことが重要です。