薬局だより
噛んで服用してはいけない薬
薬局 薬剤師 後藤 良
飲みにくいからとの理由で薬を噛んで内服している方はいませんか?薬によっては噛んで服用してはいけないものもありますので注意が必要です。
一つ目に腸溶錠という錠剤があります。胃では溶けず、腸で溶けるようにした錠剤で、胃で分解する薬物や、胃で溶けると胃障害を起こす薬物に用いられています。こちらは噛み砕いてしまった場合には、胃で成分が分解してしまい、効果が現れない可能性があります。また、刺激性の強い薬の場合には胃や食道を痛めてしまう場合もあります。 【例:バイアスピリン錠、パリエット錠など】
二つ目は徐放錠という錠剤です。錠剤からの有効成分の放出を遅くすることにより、服用回数を減らしたり、吸収した薬の濃度を一定に長時間保つ特徴があります。もし、噛み砕いてしまった場合には成分が短時間で溶け出してしまい、薬の効果が短時間で強く現れてしまう場合もあります。また、一度に吸収された分、排泄されるのも早くなってしまうため、薬の効果が長時間保てなくなる可能性があります。
【例:テオドール錠、アダラートCR錠、ベザトールSR錠など】
この二つ以外にも噛んではいけない薬があるため、特別な指示がない限り、薬は噛まずに水で服用しましょう。