ワンポイントリハビリ
高齢者の誤嚥について ~安全に食事する工夫~
リハビリテーション科 作業療法士 鈴木 賢史
誤嚥とは
本来なら口から喉、そして食道を通って胃に送られるべき食べ物が、誤って気管に入ってしまうことです。病気などがなくても、老化により咀嚼する機能や嚥下する機能が低下し、また集中力などが落ちる為に、誤嚥が起こりやすくなります。
誤嚥すると、水や食べ物が肺に入ってしまい、細菌が繁殖して炎症を起こすことで誤嚥性肺炎になる場合があります。誤嚥性肺炎になると発熱や息苦しさ、食べ物を飲み込むことができない等の症状が出現します。
誤嚥を予防するための工夫
①食事をする時の姿勢
・イスに腰掛けて食べる場合は、両足を床にしっかり付けるようにしましょう。
・足で踏ん張って体がイスからずり落ちないようにして、体が前かがみの姿勢になるようにしましょう。
・気管に水や食べ物が入らないように、顔と喉がすこし前かがみになるようにしましょう。
②食事の形態
食べ物は柔らかいものや刻んであるもの、スプーンで押しつぶして、食べやすいものが良いです。また水やお茶などは誤嚥しやすい為、とろみをつけましょう。
【注意する食べ物】
・弾力性のある餅やこんにゃく・水分の少なくパサついているゆで卵やふかしイモ
・粒が残りやすいナッツ類やおせんべい
③口腔内衛生
誤嚥による肺炎を予防する為にも、口の中を清潔にしておきましょう。口の中は細菌が繁殖しやすく、唾液に菌が付いたまま誤嚥すると、肺炎になってしまう恐れがあります。
歯だけではなく舌も磨き、うがいをしっかり行いましょう。また入れ歯があれば、外してしっかり洗浄しましょう。