ワンポイントリハビリ
腰痛について part1
リハビリテーション科 理学療法士 白井 美由紀
現代社会では全人口の80%以上の方が、一生のうちに腰痛を経験すると言われています。腰痛のうち原因が明らかでない腰痛症が最も多いですが、特別な治療が行われなくても6週間以内に落ち着くものです。原因の明らかな腰痛のうち、最も多いのが椎間板ヘルニアです。
〈椎間板ヘルニアとは〉
背骨1つ1つの間にあるクッションの役割を果たしている椎間板が変性して、一部が飛び出すことを言います。その一部が付近にある神経を圧迫してしまいます。
発症の原因
筋力・柔軟性の低下、座ったまま・立ったままで前かがみの姿勢をとる、物を持ち上げ身体をねじる、同じ姿勢を長時間とる、単調作業、心理面(人間関係、仕事のやりがい感など)
症状
①疼痛:腰部痛に加えて、片方のお尻の重苦しい痛みや同側の脚にかけての刺すような痛み。前かがみまたは腰を反らした時、歩いている時、起床時などに感じやすくなります。
②神経根症状(ヘルニアによって圧迫された神経による症状):各々の神経が支配する領域の痛みと感覚障害、筋力低下、下肢伸展挙上テスト陽性*1、排尿・排便障害
*1 下肢伸展挙上テスト
写真のように、ひざを伸ばした状態で上にあげていく。
正常では70~90度まで痛みなくあげることが可能。
70度以下で脚や臀部の後面または腰部の痛みが出現し、それ以上あげることが困難であれば陽性である。
症状のある場合は自己判断せず、医療機関を受診し適切な治療を受けましょう。
また、腰痛は再発予防がとても重要になります。次回は、腰痛予防についてお話しします。