認定看護師コラム
認知症について
認知症看護認定看護師 細矢 愛実
●認知症とは
認知症は、物忘れや、記憶の障害、日時などが分からなくなる、今まで出来ていた日常行為の手順が分からなくなる(例えば料理などが出来なくなる)、道具を正しく使えなくなる、反社会的な行動(万引きなど)をしてしまう、などの症状がでる、脳の病気です。
●認知症の症状
認知症の症状は大きく2つに分かれます。病気によって脳の機能が障害され出現する中核症状と、中核症状が原因となり出現する行動・心理症状があります。
中核症状として、出来事に関する記憶がすっぽりと障害される記憶障害、日時や場所などが分からなくなる見当識障害、今まで出来ていた日常行為の手順が分からなくなる遂行機能障害、手足の麻痺などの障害がないにも関わらず簡単な日常動作が出来なくなる失行、眼や耳、手足の感覚などの異常がないにも関わらず、対象を正しく認識できなくなる失認、言葉の意味理解が困難になったり、話したい言葉と違う言葉が出てくるなどの失語の症状が挙げられます。
行動・心理症状は中核症状がある事により出現する症状です。症状は多岐にわたり、例えば徘徊や物取られ妄想、怒りっぽい、食べ物でないものを口にしてしまう異食、帰宅願望などが挙げられます。介護する方を悩ませる症状の多くは、この行動・心理症状であると言えると思われます。
●早期受診を!
認知症は早期発見がとても大事です。自分自身で症状に気づきにくい場合もあり、周囲の方が先に症状に気づくこともあります。認知症は脳の病気ですので、専門の医師にしっかり診断してもらうことが重要です。