【宮城県岩沼市】24時間救急診療を提供できる救急指定病院。土曜診療も受付可。
宮城県岩沼市 社会法人将道会 総合南東北病院-救急指定病院-

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広報誌「みな・みな・ねっと」

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診断できない腰痛?

院長 松島 忠夫

 腰痛はあらゆる症状の中で最も多い訴えであるという。ヒトが2足歩行するようになり、避けられない症状の様です。四足歩行の動物では腰の負担は少ないと考えられるので腰痛で困ることは多分ないでしょう。

 実際、腰痛を訴えて来院、通院する方は多い。時に、他の病院で腰の手術をしたが(ヘルニアまたは腰部脊柱管狭窄症の診断で)、腰痛がとれない、痛くて日常生活で困る、仕事にならないと訴えて来院する方がいます。そういった腰痛の中で、仙腸関節障害が慢性腰痛、日常困るほどの腰痛の原因となっていることがあります。

 仙腸関節とはどこにあるかというと、骨盤の骨である仙骨(せんこつ)と腸骨(ちょうこつ)の間にある関節で、周囲の靭帯で強固に連結され、脊椎の根元にある関節です。関節ではあるものの、他部位の関節(肩、肘、手関節、股関節、膝関節など)とは異なり、ほんのわずかな動きがあるのですが、画像検査ではほとんどわからない程度の動きです。この関節では日常生活での身体を支える働きとして根元から脊椎のバランスをとっています。中腰での作業や不用意な動作、あるいは繰り返しの負荷で関節に微小な不適合が生じてくると、痛みが発生するようです。いろいろな所で加療したが良くならない、その原因がはっきりしない、といった腰痛の原因が仙腸関節障害であったことが多く経験されます。仙腸関節障害は稀ではなく、年齢や男女に関係なく、慢性腰痛の原因になります。

 症状としては片側の腰臀部痛、下肢痛が多くみられます。腰痛の部位は、仙腸関節を中心とした痛みが一般的で、臀部(でんぶ)、鼠径部(大腿の付け根)、下肢などに痛みがきます。ぎっくり腰のような急性腰痛の一部も仙腸関節の捻挫が原因となっていることがあります。

 特徴的な症状は、長い時間椅子に座れない、仰向けになれない、痛い方を下にして寝られない、歩行開始時に痛みがあるが徐々に楽になる、正座は大丈夫だという方が多くいます。腰臀部痛、下肢症状は腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどの神経症状にそっくりです。そして腰椎と仙腸関節は近くにあり、関連しているので、腰椎の病気に合併していることもよくあります。腰部脊柱管狭窄症やヘルニアの手術をしたが、症状がよくならない、というのは、仙腸関節障害が合併していた可能性があるのです。

 診断では、レントゲン、CT、MRIなどでは、仙腸関節障害の診断は困難です。症状経過と仙腸関節部の圧迫テストで診断します。中高年では腰椎椎間板ヘルニアや狭窄症が認められても症状と一致しない場合は、仙腸関節障害も考慮すべきです。治療では安静、鎮痛剤内服、骨盤ゴムベルトを使用し、仙腸関節ブロック(局所麻酔剤の注射)、リハビリ(理学療法―徒手的に仙腸関節を適正化)などがあります。まれに仙腸関節固定術という手術が必要になる場合があります。当院でも対応、加療していますが、仙台の病院に仙腸関節センターがあり多くの患者さんを治療しています。と書いていたら、先日NHKテレビ『ためしてガッテン』で『股関節腰痛』という腰痛を説明していました。身体を支えて何十年の腰椎腰部ですから、実際のところ、腰痛の原因にはいろんなものがあります。また原因がわからないものもあります。腰痛はやさしそうで難しいですね。

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