認定看護師コラム
脳血管障害とお口の健康について
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 澤邉 晃永
今回は「歯の健康を保つことは脳血管障害の予防に重要」というお話です。脳血管障害は脳梗塞、脳出血などの脳の血管に関する病気です。発症してしまうと後遺症が残ることがあります。ですから病気にならないために予防することが大切です。これらの病気の主因は動脈硬化と言われています。動脈硬化は血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)が蓄積し、血管が細くなります。これまで動脈硬化の原因は不適切な生活習慣や運動不足、ストレスとされてきました。そして、これら以外の因子として歯周病原因菌の感染が注目されてきました。歯周病とは歯と歯茎の境界にある溝にたまった細菌の塊が原因で起こる慢性細菌感染です。歯周病を放置すると歯茎や歯を支える骨が破壊されて最後には歯が抜けてしまいます。そして、原因菌の刺激により動脈硬化を誘導する物質が出ることで動脈硬化を促進してしまいます。また、脳梗塞においては歯周病の人とそうでない人では2.8倍脳梗塞になりやすいとも言われています。
ただ毎日、歯磨きをしていても、一人でお口の健康を十分に保ち管理することは難しいようです。半年に1回程度は歯科医を受診し、歯のメンテナンスを行うことを脳血管障害予防の生活習慣に取り入れてはいかがでしょうか。