薬局だより
高血圧の治療薬について
薬局 薬剤師 菅沼 健人
今回は高血圧の薬についてお話しします。高血圧の基準値は、診察室血圧値で140/90mmHg以上、家庭血圧値で135/85mmHg以上です(高血圧治療ガイドライン2014)。高血圧の状態を放置すると脳卒中や心筋梗塞など、多くの疾病を引き起こしやすくなりますので、生活習慣の改善だけで血圧が下がらない場合などには降圧薬による薬物療法が行われます。
以下に代表的な降圧薬を、種類別に挙げました。通常1つの薬から開始しますが、1剤で血圧が下がらない場合には併用を試みます。
(1)Ca拮抗薬・・・・・・・血管を拡げて血圧を下げます
(2)ARB・・・・・・・・・アンジオテンシン(血圧を上げる物質)の作用を抑えます
(3)ACE阻害薬・・・・・・アンジオテンシンを減らします
(4)利尿薬・・・・・・・・腎臓から塩分と水を出すことによって血圧を下げます
(5)β遮断薬・・・・・・・心臓の働きを抑えます
(6)α遮断薬・・・・・・・血管の収縮を抑えます
降圧薬は、お薬の効果を出すために毎日決められた時間に、正しい量で飲み続けることが大切です。一時的に血圧が下がったからといって服用を止めたりすると、血圧は戻ってしまいますので、自分の判断で薬を飲むのを止めないようにしましょう。
※こちらに記載したのはあくまでも一般的な使用方法です。医師や薬剤師から患者さんに合ったお薬の使用方法について説明があると思いますので、正しく使用してください。