認定看護師コラム
インフルエンザの予防策
感染管理認定看護師 熊谷 亜希
11月に入り、本格的にインフルエンザの流行時期となってきます。今年は9月上旬から全国の公立学校で学級閉鎖が出始めました。また、ここ2、3年では夏休みなどに海外旅行者が増えている事から、秋口より少しずつ流行が始まっていました。確認されているインフルエンザウイルスのほとんどはA型で、B型に比べて症状が激しいのが特徴で、38度を超える高熱や肺炎をふくむ深刻な呼吸器系の合併症、のみ込むのが嫌になるほどの喉の痛み、関節痛や筋肉痛などがあります。
インフルエンザ予防策として、皆さんがすぐに思い浮かぶのが「マスクの着用」かと思います。では、実際にマスクを装着すると、どのくらいインフルエンザを防ぐことができるのでしょうか?コンビニやドラッグストアで購入する事ができるマスクは、人に移さないようにする性能は96%以上といわれています。しかし、予防という目的で使用する場合は高性能なマスクであっても70%程度しか防ぐことができません。マスクを着用していても、鼻の部分に隙間があったり、あごの部分が出ていたりすると、効果はありません。鼻と口の両方を確実に覆い、正しい方法で着用する事が大切です。
インフルエンザを予防するためにはマスクの装着だけでなく、①外出後の手洗い、うがい②適度な湿度(50~60%)を保つ③十分な休養とバランスのとれた栄養④人混みや繁華街への外出を控える、やむを得ない場合は短時間で済ませる⑤インフルエンザの予防接種を受けるなどを組み合わせて行う事が有効です。予防接種の前には、かかりつけ医への相談が必要となりますが、当日の体調によっては接種できない可能性もあります。ワクチンを接種したからといって、100%かからないということはありませんが、発症や重症化を予防するためにも流行前に接種することがおすすめです。