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宮城県岩沼市 社会法人将道会 総合南東北病院-救急指定病院-

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広報誌「みな・みな・ねっと」

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大腸憩室炎について

外科医長 板橋 英教

 今回は消化管の疾患として大腸憩室炎について書かせていただきます。

 そもそも大腸憩室とは、大腸粘膜の一部が腸管内圧の上昇により袋状に腸壁外に向かって突出したもので、大腸カメラでは壁に小さな窪みが出来ている様に見えます。大腸憩室は比較的高齢者に多い病気です。もともとは欧米では左側の大腸(S状結腸)に好発するのに対し、日本では右側結腸に多いといわれてきました。しかし、近年の食習慣や生活様式の欧米化に伴い、日本でも左側大腸の症例が増えるとともに若年者での症例も増えています。

 原因としては、後天的なものが多く、最近の食生活の変化により、肉食が多くなり食物繊維の摂取量が減少したことで、便秘などで腸管内圧の上昇を起こしやすくなったと考えられます。第2の原因として、加齢による腸管壁の脆弱化があげられます。そのほか、喫煙、体質、人種、遺伝、生活環境などの要因も複雑に作用し合って発生すると考えられています。

 大腸憩室症の約70%は無症状のまま経過しますが、時に便通異常(下痢、軟便、便秘など)、腹部膨満感、腹痛などの腸運動異常に基づく症状を起こします。その中で、憩室の中で細菌が繁殖し、炎症を起こすことで発症するのが、大腸憩室炎です。大腸憩室症の患者様の15~25%の症例で大腸憩室炎が発生するといわれており、強い腹痛、下痢、発熱などを伴います。憩室炎は進行すると穿孔(穴があいてしまうこと)、穿孔性腹膜炎(穴が生じることにより炎症が広がること)、狭窄による腸閉塞、周囲臓器との瘻孔形成(小さな穴が通じる)を生じることがあります。

 診断は急性の腹痛や発熱がある場合、問診・診察の後、血液検査や腹部CT腹部エコーなどで原因を調べます。特に右側大腸の場合は急性虫垂炎の時と腹痛の部位、症状が似ており、鑑別として挙げられます。

 基本的な治療としては、腸管安静(禁食)・抗菌薬の投与といった保存的治療で改善します。しかしながら、進行した状態での、膿瘍(うみがたまる)や穿孔(穴があいてしまうこと)を伴う場合は、絶飲食での腸管安静と点滴での抗生剤加療が必要となり、入院加療が必要となります。また先程記載した、穿孔性腹膜炎(穴が生じることによる炎症の波及)、狭窄による腸閉塞、周囲臓器との瘻孔形成(小さな穴が通じる)を生じた場合、また保存的治療で改善がない場合、繰り返す場合は手術の検討が必要です。手術は憩室炎を起こした大腸の切除となります。

 当院では消化器内科とも連携を取りながら、治療をおこなっており、手術についても、患者様の負担が少ないとされる腹腔鏡下手術を第一に考え、治療にあたっております。

 食生活の変化に伴い、高齢者だけではなく若年者での大腸憩室炎も増えています。発熱を伴う腹痛の際は、通常の胃腸炎だと放置せず、病院を受診頂ければと思います。

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