ワンポイントリハビリ
高齢者のための転倒予防~運動編part1~
リハビリテーション科 理学療法士 佐藤 和行
前回は加齢によって筋力が低下しやすい筋肉として、立ち座りや歩行の際に特に重要な抗重力筋について説明しました。今回は、自宅でも簡単に行える抗重力筋のトレーニングについてご紹介します。
①大殿筋(だいでんきん):お尻の筋肉
仰向けに寝て両足を立てます。次に両足で床を押しお尻を上げます。この時に上げ過ぎてしまうと背中が反れて腰を痛めることもあるので、写真のように太ももと体が一直線になるくらいまで上げます。
②下腿三頭筋(かたいさんとうきん):ふくらはぎの筋肉
手すりや壁、固定力の高いテーブルなどにつかまって行います。背伸びをするように床からかかとを上げます。
③大腿四頭筋(だいたいしとうきん)、ハムストリングス:
太ももの前後の筋肉
ゆっくりと両膝を曲げ伸ばしします。膝の痛みがある方は無理せず、曲げる角度は出来る範囲で行いましょう。この運動は上記の筋肉だけでなく、お尻やふくらはぎの筋肉なども総合的に鍛えることが出来ます。この運動が大変な場合は椅子からの立ち座りの運動を行いましょう。
・各運動をまずは10回くらいを目安に、無理のない回数・範囲で実施してみてください。
・運動の頻度としては週に3~5回程度が適当です。体の調子に合わせて調整してみてください。
適度な運動は健康な体をつくるのに有効といわれています。自宅で簡単に出来る運動なのでぜひ参考にしてみてください。