南東北看護師コラム
脳卒中における発症から来院までの時間についてのはなし
東1病棟 看護副主任 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 澤邉 晃永
脳卒中とは脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血などの総称です。いずれも脳の血管がやぶれたり、詰まったりすることで脳に重大な影響をもたらす病気です。近年脳梗塞においては発症4時間30分以内含め色々な条件をみたせばrt-PA 静注療法が実施可能となります。さらに脳梗塞の原因である血栓をカテーテルで直接回収する血栓回収療法も可能となる場合もあります。 これらの治療が奏功した場合、重大な症状がなく退院できることもあり、とても頼もしい治療です。しかしながら、これらの治療を選択できる条件の一つは「時間」です。発症から来院までできる限り短いほうが望ましいわけですが、今日はそんな来院までの時間について地域間の比較の話です。ある研究によると 1)脳卒中発症からの来院時間は脳出血、クモ膜下出血、脳梗塞の順に短かった。 2)地域別では中部、四国、九州で短く、北海道、東北、中国で長い傾向が見られた。 3)地域ごとの救急利用率の高さと平均来院時間の短さはほぼ相関しているが、東北では平均来院時間が長かった、とあります。
一概に東北地方と言っても様々な違いがあると思われますが、東北地方では個々の医療圏が広いことも要因の一つではないかと考察されていました。データはコロナ禍前のものですので、現在では受診控えも影響するかもしれません。 市民の皆さまにおいては言葉の異常、手足の麻痺、表情の非対称など異常があれば様子をみることなく救急車を呼ぶことをためらわないで頂きたいと思います。