薬剤科だより
日焼けについて
薬剤科 薬剤師 緑山 莉枝
新緑がまぶしい季節となり、そろそろ日焼けが気になってくる頃ではないでしょうか。今回は日焼け止めについてのお話をします。
紫外線とは
紫外線(Ultraviolet、UV)は波長の長い方からUVA、UVB、UVCに分けられています。波長が短いほど傷害性が強く、地球を取り巻くオゾン層により吸収され、UVC波は地上にほとんど到達しません。そのため地表に届く紫外線は少量のUVBと大量のUVAです。
日焼けとは
日焼けには紫外線により皮膚が赤くなる「サンバーン」と、その後黒くなる「サンタン」の2つがあります。サンバーンは紫外線による皮膚のヤケド、サンタンはその結果おこるメラニン増加です。
UVAは波長が長く、その半分近くが真皮まで到達し、慢性的に浴びるとシワやたるみなど、皮膚の老化を加速する原因となります。UVBは波長が短いため、主に表皮で急激に作用してサンバーンを起こし、シミやソバカスなど、乾燥の原因となります。それらを防止するのが日焼け止めですが、その効果を表すのに以下の代表的な指標があります。
・SPF(Sun Protection Factor)
UVBに対する防御効果を表しています。大まかにはどのくらいの時間紫外線を浴びると翌日に皮膚が赤くなるかを表しています。例えばSPF30の製品であれば、何も塗らない素肌が10分で赤くなったとすると、それを30倍(5時間)に延ばすことができるということです。
・PA(Protection grade of UV-A)
UV-Bに対する防御効果を表しています。こちらも+の数が多いほど効果が高いとされ、+から++++の4段階があります。
最後に
日焼けは皮膚癌、しみ、しわなどの原因になることがあります。適切に予防していきましょう。
日焼け止めは効果が強ければそれで良い、というわけではなく、屋外活動の程度、時間等に応じて適切に使い分けましょう。また、使用後はきちんと洗い落とす事も重要です。