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臨床検査科(検体検査室)

生化学検査

血液や尿を自動分析装置を用いて化学的に分析する検査です。酵素や脂質、タンパク質、糖など約30項目を同時に測定することができます。測定時間は15~20分と短時間ですが、採血から測定するまでの検体処理に時間がかかるため、検査データの報告までには45~60分かかります。
測定したデータからは肝臓病や腎臓病、糖尿病、心臓病、高血圧などの診断、治療効果、病態の程度などを知ることができます。

血液、凝固検査

自動血球分析装置を用いて血液中の細胞(赤血球・白血球・血小板)などの数を測定しています。同時に白血球を5種類(好中球・好酸球・好塩基球・リンパ球・単球)に分類しています。また、それぞれに数的異常や質的異常があれば血液塗抹標本を作製し顕微鏡で観察して、血液疾患の発見や治療効果の判定に有用な情報を提供しています。主に次のような項目を測定しています。
血液凝固分析装置を用いて凝固因子、線溶系マーカーの測定を行っています。血液が固まりにくい出血性疾患の発見と診断、また反対に血液が固まりやすい血栓性疾患の発見と治療方針を決定する場合に検査を行います。さらに、抗血栓療法のためにお薬を服用されている方のモニタリングを行っています。その他、手術や検査前の凝固能の確認や、肝臓の機能を評価する検査としても用いられます。

一般検査

一般検査で扱う検体は、尿・便・髄液・穿刺液(胸水・腹水・関節液)などが対象です。尿は腎臓で血液より造られます。試験紙を使って尿の定性検査や、顕微鏡による尿の成分を観察します。尿は全身の状態を反映するので病気の手がかりをつかむのに大切な検査です。 血液が腎臓で濾過された老廃物を尿として排出しています。尿中の成分を調べることで糖尿病や腎臓、泌尿器系疾患の発見や病態を把握することができます。また疥癬や真菌の検査も行います。

尿定性検査

尿定性検査とは自動分析器で尿試験紙を用いて、尿中のタンパク質、糖、赤血球などの成分を測定します。

尿沈渣検査

どのくらいの赤血球、白血球、その他の細胞が尿中に出現しているか、癌細胞が出ていないかなど、尿の沈渣成分を顕微鏡で観察し、詳しく検査しています。
「便潜血検査」は消化管出血や大腸癌のスクリーニング検査として行われます。

免疫血清検査

B型およびC型の肝炎ウイルスのスクリーニング検査や腫瘍マーカー、甲状腺ホルモン、心不全マーカーなどを測定しています。腫瘍マーカーは悪性細胞が作る物質で、癌の存在や種類、進行度、量の指標となるものです。腫瘍マーカーの陽性率が高いほど、進行癌の存在する確率は高くなります。しかし、早期癌の場合は基準値内であったり、良性細胞で作られるため癌でない場合でも陽性化することがあります。心臓マーカー(BNP・トロポニンI)心不全が起こっていたり、心筋がわずかでも壊死したりすると上昇します。
梅毒検査、プロカルシトニン、カンジダ抗原、インフルエンザ抗原、レジオネラ抗原、肺炎球菌抗原、マイコプラズマ抗原、ノロウイルス抗原、アデノウイルス抗原、ロタウイルス抗原、血沈、ヘリコバクター・ピロリ尿素呼気試験、H.ピロリ抗体、HIV抗原抗体スクリーニングなどを検査します。

血液ガス検査

人間は呼吸によって、酸素を体内に取り入れ、二酸化炭素を排出しています。この機構がうまく働かなくなると、血液中の酸素が減り(低酸素)、二酸化炭素が蓄積して(高炭酸ガス)、「息が苦しい」といった呼吸困難の症状がでてきます。
低酸素、高炭酸ガスは、人間の体にさまざまな悪影響を及ぼすので、その程度を客観的に把握することが重要です。「息が苦しい」と一口に言っても、呼吸の苦しさの感じ方は人によって異なり、あくまで主観的な症状です。これを数値として客観的なデータで表現するのが血液ガスです。

試験管準備システム

採血室では検査に必要な血液の採取や採尿を行っています。患者さまの取り違え防止にはオーダー票を発行し事故を未然に防ぐ対応を取り、採血管の取り違えの防止には自動採血管準備システムを導入しています。

輸血検査

輸血検査では年間に使用する血液製剤約2000単位の管理と供給を行なっています。タイプアンドスクリーン(T&S)を導入し適性輸血と血液製剤廃棄量減少にも取り組んでいます。血液型や不規則抗体スクリーニング検査を24時間対応しています。安全な輸血の為に交差試験、不規則抗体スクリーニング等の検査もしています。コンピューターによる血液製剤管理とリストバンドチェックによる患者確認を行っています。感染の問題を回避するため、他人の血液を貰うのでなく自分の血液を使う自己血輸血を推進しています。