広報誌「みな・みな・ねっと」2025年1月号(ワンポイントリハビリ 尿漏れに対する骨盤底筋体操)|総合南東北病院
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広報誌「みな・みな・ねっと」

ワンポイントリハビリ

尿漏れに対する骨盤底筋体操

リハビリテーション科 作業療法士 白石 未佳

○60歳以上の方の50%以上が尿漏れに困っていると報告され、生活の質(QOL)を脅かす問題となっていますが、「年齢のせい」 だと諦めたり、羞恥心から誰にも相談できない方が少なくありません。

○尿漏れの原因の一つに、骨盤底筋の緩みがあると言われています。

 
○骨盤底筋って?

・文字通り骨盤の底にある筋肉で、膀胱・子宮・直腸が下垂しないように支えています。さらに、尿道や肛門を締めたり緩めたりする排尿・排便コントロールの役割も担っています。

・骨盤底筋が緩むと、咳やくしゃみ、笑う、運動など腹圧上昇時に尿が漏れてしまいます。(腹圧性尿失禁)また、急な強い尿意とともに尿が漏れ出てしまいます。(切迫性尿失禁)

・このような尿漏れは、骨盤底筋訓練で尿道のまわりにある外尿道括約筋や骨盤底筋群を強くすることで、改善が期待できます。

 
○骨盤底筋体操のやり方

① 膝を立てて仰向けに寝る。
② 膣や肛門をきゅっと引き上げるように締める。
③ 6〜8秒間筋肉の収縮を持続させ、10秒間緩める。
慣れてきたら、椅子に座りながらや、立ちながら行ってみましょう!

※効果が出るまで、約2ヶ月程度かかると言われています。
また、尿漏れは体操だけで必ず改善するものではありません。
まずは当院泌尿器科外来にご相談下さい。

 
【参考文献】
高齢者尿失禁ガイドライン 国立長寿医療研究センター
尿失禁に対する骨盤底筋訓練の効果の検証 愛知県理学療法学会誌 第25 巻1号