薬剤科だより
お薬の水での服用について
薬剤科 薬剤師 元木 綾
お薬の説明で 「水またはぬるま湯で服用してください」 という記載を目にすることがよくあると思います。今回はそんなお薬の飲み方の疑問についてお答えしたいと思います。

お薬はなぜ水で飲むように言われるのか?

一般的にのみ薬は、コップ1杯程度(約200cc)の水、またはぬるま湯で飲むように作られている為です。
ただし同じお水でも、消化酵素剤や消炎酵素剤などのタンパク質でできている薬の場合、あまり熱いお湯で飲むと分解してしまうおそれがあるので注意しましょう。
またお薬によってはコーラやグレープフルーツジュース、牛乳などで飲むと、お薬の効果が弱まることがあるので注意しましょう。

どうしてコップ1杯(約200cc)のお水で飲む必要があるのか?

薬を水なしで飲むと溶けにくいため、吸収が遅れて薬の効果が現れにくくなったり、低下することがあります。場合によっては溶けずに便として出てしまうこともある為です。
また錠剤やカプセル剤を水なしで飲むと、食道に引っかかったり、くっついたりすることがあります。そうすると、その場で溶けてしまい、食道潰瘍を起こしてしまう場合もあります。粉薬などでは、気管から肺に入ってしまい、肺炎を起こした例もあります。
※口腔内崩壊錠=OD錠と言われるお薬は、唾液や少量の水で速やかに崩壊するように作られているので、水が無くても服用可能なお薬です。
ただし口腔内からは吸収されず、胃の中へ落とし込む必要があるため、注意しましょう。
※水分制限の指示がある方は医師の指示に従って服用してください。
【引用文献】
①中外製薬 くすりの正しい飲み方
くすりの正しい飲み方|からだとくすりのはなし|中外製薬(chugai-pharm.co.jp)
②Sumitomo Pharma 健康情報サイト Q.01どのくらいの水で、くすりを飲むとよいの?
Q.01 どのくらいの水で、くすりを飲むとよいの?|住友ファーマ 健康情報サイト (healthcare-sumitomo-pharma.jp)
③日医工株式会社 薬の正しい使い方
薬の正しい使い方 薬はどれぐらいの量の水で飲めばよいのでしょう | 日医工株式会社 (nichiiko.co.jp)