ワンポイントリハビリ
福祉用具について part1
リハビリテーション科 作業療法士 菊地 真弓
車椅子や歩行器をはじめとした福祉用具は、加齢や疾患などにより低下した身体機能を補うとともに、介護の負担を軽減するように工夫されています。
効果的に利用することで自立につながる福祉用具ですが、うまく使いこなせずに放置してしまったり、過剰な機能によって自立の妨げになってしまうケースもあります。
そのため、身体状況、家屋環境、対象者の希望、介護の負担などを多角的に検討して、福祉用具の選択と使い方を見極めることが重要です。
介護保険の利用により福祉用具を1割程(収入により2〜3割)の負担でレンタル、または購入することが可能です。(※要介護度により対象の範囲が異なります。)また手すりの設置や段差解消等の住宅改修を行うことも可能です。
<福祉用具を活用するメリット>
・自立の可能性を高める
・活動できる範囲を広げる
・介護の負担を軽減する
・安全な環境づくり

<福祉用具の例>
車椅子

歩行器

介護ベッド

置き型手すり

当院リハビリテーション科では退院に向けてご自宅の環境を写真等で確認させていただき、家屋環境に合わせた福祉用具導入や住宅改修の提案を行うとともに、使用方法の練習や指導を行っています。
また退院前にはケアマネージャーやサービス担当者と退院後の具体的なサービスや支援体制についてカンファレンスを実施し、安心・安全に在宅生活に戻れるよう支援を行っています。
次号では介護保険で提供される住環境整備に関するサービスとして福祉用具貸与、特定福祉用具購入の種類、住宅改修について詳しくご紹介します。
【参考】
玉垣努・渡邉愼一「福祉用具・住環境整備の作業療法」2013