薬剤科だより
肝臓と薬
薬剤科 薬剤師 寺川 友貴
薬が作用を発揮して体外に排泄されるまでの過程では、体内で薬が化学的に処理(すなわち代謝)される必要があり、そうした処理のほとんどは、肝臓において進行します。そのため、薬と肝臓は互いに影響しあうことがあります。
以下はその一例となります。
・肝機能障害によって薬の代謝が変化することがあります。
・一部の薬は、肝臓に損傷を与えることがあります。
・多くの要因(食物、遺伝子構成、他の薬の使用など)が肝臓での薬の代謝に影響を及ぼす可能性があります。
肝機能障害の影響は、投与される薬によって異なり、効果が増大する薬もあれば、減弱する薬もあります。
薬が原因となって肝機能を低下させることを薬剤性肝障害と言います。薬剤性肝障害を起こしやすいのは、抗菌薬のほか、解熱・鎮痛剤、中枢神経作用薬、抗ガン剤などです。 しかし、実際にはあらゆる薬が、肝臓にとっては大きな負担となります。漢方薬、サプリメントなども、肝臓にダメージを与えることがあるので、むやみに飲むのは危険です。
【参考】MSD マニュアル 家庭版 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/