ワンポイントリハビリ
食事中の"むせ"について
言語療法室 言語聴覚士 佐藤 咲子
"むせ"とは気道の粘膜が異物を排泄しようとする生体防御反応です。むせることによって、水や食べ物が誤って気管に入ること(誤嚥)を防いでいます。
むせの原因

●意識レベルの低下
●無理のある姿勢で食事や飲水をした
●口、のど、食道の構造または機能の障害による飲み込みの機能異常
●せきや吐き気による飲み込みの妨げ
●高齢による機能の低下(歯の異常、飲み込みに関わる筋力の低下など)
むせによって生じること
呼吸困難、発汗、血圧低下、窒息などが生じて、むせたものが肺に貯まることで発熱、炎症が起こり肺炎を招くことになります。
むせたときの対応
●食事、飲水を中止する ※むせているときの水などの水分摂取は危険です!
●声をかけて、むせたものを出せたか確認する
●呼吸状態、意識状態を確認する
※むせたものを出せた、また、むせ(せき)が落ち着いたとき
少し休み、食事・飲水を再開する。もし、再びむせるようであれば、すぐに中止する。
※むせ続けいているとき
●強くせきをするよう促し、むせたものをだすようにする。
●背中をたたく(前かがみの姿勢で、肩甲骨の間をたたく)。
●口の中の食べ物をかきだす。
予防策
●食事、飲水の時には首が後ろに反ることのないよう、必ずあごは引くようにして摂取する。
●食べている食事の形状が、その人に合っているか考える。(飲み込める状態に合わせて、柔らかいものにしたり、ゼリー状にして飲み込みやすいようにする)
●せきやしゃっくりなどが生じているときは、落ち着いてから摂取する。