薬局だより
食中毒について
薬局 薬剤師 小林 正人
●食中毒予防の3原則

①清潔
食材を扱う時は、とにかく手や調理器具をきれいに洗うということです。
②新鮮な食材を使って、作ったらすぐ食べること
保存する場合、冷蔵庫に入れて早いうちに食べるようにしましょう。
③調理時に加熱を十分に行って中まで火が通るようにすること
そのような基本的なことを守ったらまず、食中毒は防げると言われています。
●手洗いのタイミングは?
3原則の中に清潔とありましたが、食中毒予防は手洗いに始まり手洗いに終わると言われるように、手洗いが大事です。外出から帰ってきたときだけでなく、料理や食事の前にも手洗いを心がけましょう。
●食中毒の原因は?
1番の原因は細菌の繁殖です。しかし、夏ばてや蒸し暑さによる寝不足などで体が弱っていると、たちまち食中毒にかかってしまうそうです。暑い時期の生ものは避ける、火を通してから食べると言った配慮はもちろんですが、細菌に負けない強い体作りも大切です。
●食中毒の主な原因となる菌とは?
病原大腸菌やサルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌など16種類が食中毒細菌として指定されています。
●食中毒の症状に対するお薬は?
①抗生物質 ※成人、小児、幼児にそれぞれに対して、使用できるお薬が異なることもあります。
食中毒の症状には必ず下痢があり、原因菌の種類によって腹痛・嘔吐・発熱などの症状が現れると言われています。これらの症状には菌が関係しているため、その原因となる菌を抑制します。
②整腸薬
乳酸菌や酪酸菌などを含む製剤で腸内細菌のバランスが崩れているのを整えます。
③胃腸機能調整薬
不規則になり弱っている胃腸の運動異常を調整し、規則的な運動に改善する作用があります。
④鎮痙薬
消化管などの筋肉(平滑筋)の痙攣を抑える事によって、腹痛などの痛みを抑えます。

※注意
下痢は、細菌を早く体の外へ出すという、体が本来持っている自己防衛反応です。
下痢を止めたりすると体の中に菌が長く滞在してしまい、症状が長期化又は悪化する恐れがあるため、自己判断での下痢止めのお薬の服用は絶対にやめて下さい。
最後になりますが、食中毒の症状が出た場合は、早く病院へ行くことが大切です。