薬局だより
季節性アレルギーと通年性アレルギーのお話②
薬局 薬剤師 小林 正人
今回は先月号に引き続き、アレルギーの治療薬についてお話します。
●主な治療薬
抗ヒスタミン薬:
アレルギーの症状を和らげるのに最もよく使われる薬です。抗ヒスタミン薬には、処方せんなしで購入できる市販薬と、医師が処方する処方薬とがあります。副作用として、眠気、口の渇き、かすみ眼、便秘、排尿困難などがあります。適切に使用することで副作用の多くは防ぐことができます。
クロモグリク酸ナトリウム(クロモリン):
アレルギー症状の軽減に点眼薬や点鼻薬として使用します。眼、鼻など投与した部分だけに効果があります。
ステロイド薬:
上記の薬でアレルギー症状を抑えることができないときは、ステロイド薬を使います。主に点鼻薬や点眼液として使用します。
充血緩和薬:
鼻づまりを和らげる処置として充血緩和薬を併用することもあります。充血緩和薬の多くは、複数の成分を含む配合剤となっています。しかし、血圧の高い人は、医師の指示に従って用法が管理されている場合以外は充血緩和薬を使用時に注意が必要です。鼻づまりの薬として市販されている充血緩和薬の点鼻液やスプレー薬は、1週間以上連続して使用するとかえって鼻づまりを悪化させ長期化させることがあるので、使用は数日間に限定した方が好ましいです。

血管収縮薬(点眼液):
アレルギー性結膜炎には、通常抗ヒスタミン薬を点眼薬として使用します。抗ヒスタミン薬には血管収縮薬が配合されていて、眼の充血を防ぐ作用もあります。また、人工涙液のような洗眼薬での洗眼が炎症を抑える助けになります。
注意事項として、コンタクトレンズを使用している方は結膜炎の症状のあるときは外すように心がけましょう。
※上記以外にもアレルギー症状を抑えるお薬はあります。アレルギー薬等について不安な事があれば、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。