ワンポイントリハビリ
立ち上がりやすい環境づくりについて
リハビリテーション科 作業療法士 櫻井 僚
高齢者にとってベッド等から立ち上がれるかどうかは、自立した生活を送る上で重要な問題と言われています。
<立ち上がりの3条件とは?>
→高齢者がなるべくスムーズに立ち上がるためには、下記の3点が前提と言われています
①足を手前に引くことができる ②前かがみになることができる ③介護用品の高さを調節できる
上記のような条件を満たした上で、環境を整えることが重要となります。常日頃使う車椅子や椅子などはもちろんのこと、ポータブルトイレやベッドを選定する上でもこの3つは重要となります。
<立ち上がりやすい介護用品を選ぶポイント>
①ポータブルトイレ
→便器の下に空間がないタイプは、足を手前に引くことができません。また、シートが低く、軽量で安定が悪いものは、前かがみになるとバランスを崩す恐れがありますので、気をつけましょう。
②椅子
→座面の下に物が置けるようになっていたり、椅子の足がバーで固定されているものは足を手前に引くことができず、立ち上がりにくくなってしまいます。また、足を手前に引くことができる椅子でも、折りたたみ式等の携帯に便利な椅子は不安定なため、安定感のあるものを選びましょう。
③車椅子
→左右の足のせフレームの間にレッグレストという布がついているものは、足を手前に引くことができず、立ち上がりにくくなってしまいます。
④ベッド
→ベッドの下に隙間があり、使う人の高さに合わせたものであることが大切です(個人の下肢機能によって異なりますが、杖歩行が可能な方の場合は、膝下+7㎝程度と言われています)。また、マットレスが柔らかすぎないことも選定の上で重要となります。
※上記は基本ですので、詳しく知りたい方や分からないことがありましたら、お気軽にリハビリテーション科のスタッフにご相談ください。