認定看護師コラム
大腸がんのこと
緩和ケア認定看護師 油井 美紀
初めまして。私は緩和ケア認定看護師の油井美紀と申します。私は外来に所属し、主に外科外来に勤務しております。
当院外科では胃・大腸がんを中心に診療しております。こんなにもたくさんの方々ががんの診断を受け、日々闘っていらっしゃるのを目のあたりにして、私も何かひとつでもお役に立てたら嬉しいなぁという気持ちでお仕事をさせて頂いております。
ここでは大腸がんについて少しお話しさせていただきます。
大腸は食物が消化吸収された残りの腸内容物をため、水分を吸収して大便にする器官です。盲腸から始まり上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸・肛門管につながります。
日本人の大腸がんはS状結腸と直腸にできやすいといわれています。大腸がんは40代から増加し、高齢になるほど罹患率(ある集団で新たに診断されたがんの数をその集団の人口で割った数)が高くなりますが、近年では低年齢化がすすんでいるといわれています。また、2014年にがんが原因で死亡された患者さんのうち、大腸がんは、男性は第3位、女性は第1位でした。大腸がんの罹患率・死亡率はともに男性は女性の約2倍だそうです。
大腸がんの発生要因として、生活習慣では飲酒や喫煙、肥満、食生活が挙げられます。食生活では牛・豚・羊などの肉、ベーコン・ハム・ソーセージなどの加工肉の摂取の増加が指摘されています。
その他のがん同様に早期発見・早期対処が大腸がんの治癒につながります。大腸がんの発見には便潜血検査が有効といわれています。大腸内視鏡検査を受ければなおのこと安心でしょう。
最後に、がんの発生要因の一つに食生活がありますが、食文化の欧米化はがんの低年齢化を促進していると言われています。子供を持つ一人の母親として、ついつい子供が好む食事を作ってしまいがちですが(大腸がんに限らずではありますが・・・)食事の管理には気を付けたいものです。