薬局だより
薬は水以外で飲んでもよいのか?
薬局 薬剤師 佐藤 賢志
薬を購入するとよく「服用の際は水またはぬるま湯で服用してください」という記載を目にすると思います。今回は、なぜ水やぬるま湯が推奨されているのか、また、薬と相性が悪い飲み物についてお話ししたいと思います。
なぜ水やぬるま湯が推奨されているのか?
薬を口から飲むと、食道を通り胃に運ばれていきます。この過程で水がないと食道や胃の粘膜に薬が張り付いてしまい、粘膜障害(潰瘍など)を起こしてしまう可能性があります。少量の水で飲んだ場合にも粘膜障害の危険性が高まります。また、薬の周りに水分があることにより有効成分が溶け出しやすくなります。このような理由からコップ一杯の水で飲むことが推奨されています。
薬と相性が悪い飲み物
薬と相性が悪い飲み物についていくつか紹介したいと思います。1つ目はお酒です。お酒に含まれるアルコールは多くの薬の作用を強くしてしまい、人の体に強く影響を与えてしまいます。2つ目は紅茶やコーヒーなどのカフェインが含まれる飲み物です。カフェインにより薬の作用が強く出てしまう可能性があります。3つ目は牛乳です。牛乳に含まれるカルシウムと薬の有効成分がくっついてしまい効果が弱くなることがあります。
薬は水での服用を!
薬は水で服用することを前提に臨床試験が行われており、それに合格した薬が我々に使用されることとなります。薬を安全に使用するためにも水で服用するようにしましょう。