認定看護師コラム
冬の感染症対策について
感染管理認定看護師 熊谷 亜希
新型コロナウイルス感染症に翻弄され続けた2020年でしたが、年の瀬まであと数週間となりました。冬はインフルエンザをはじめとする、ウイルス性感染症が流行する時期でもあります。なぜ冬期に猛威をふるうのか、またその予防策などについてお話ししたいと思います。
冬期に流行する理由は、感染が成立しやすい状況にあるからです。なぜそのような状況になるのかというと、病原体である“ウイルス”と、感染する“人”の条件がそろうためです。ウイルスの種類にもよりますが、冬の気温や湿度がウイルスに至適な環境を作り出しています。15℃以下の低い気温と40%以下の低い湿度により、ウイルスは表面の水分を失い空中に浮遊しやすくなります。またこのような環境下においてはウイルスの生存期間も長くなるため、感染も拡がりやすくなります。
私たちはこれから新型コロナウイルスと共存していかなければならないことが、昨今の流行状況からも明らかです。では、どのようなことを心がけるのが大切でしょうか。密閉空間・密集場所・密接場面という「3つの密」を避けることは、新型コロナウイルス感染症だけでなく、インフルエンザを含む他の感染症の予防にも有効です。その他に、室温(22~26度)や湿度(50~60%)等の環境調整や、バランスの取れた食事・睡眠などで免疫力を高めることが重要です。
感染症に対しては総合的な対策が必要ですが、上記のような誰にでもできる身近なことに加えて、手洗いや手指衛生・咳エチケットという基本的な予防行動も心がけ、この冬を乗り越えましょう!