ワンポイントリハビリ
転びやすい身体について
リハビリテーション科 理学療法士 野村 朋子
転ぶ要因には、環境(段差や畳の縁など)、薬剤による要因など様々ありますが、ここでは身体の要因についてご紹介します。まずは転ばないために、ご自身の身体を知ることが大切です。
身体の要因には、以下にあげるものがあります。

・加齢・・・
年齢を重ねるに従って転ぶ危険が増大します。
・転倒歴・・・
過去1年以内に転んだ経験がある方は、再び転ぶ可能性がきわめて高くなります。
・疾患・・・
バランスの障害や視力障害、起立性低血圧などによる失神が転ぶことにつながります。また、アルツハイマー病や認知の低下なども要注意です。(脳血管障害、パーキンソン病、脊髄疾患、リウマチ、筋疾患など)
・運動能力・・・
高齢者は特にバランス能力が低下します。廃用(動かさない、使わないこと)による運動不足も要因となります。運動の際は、十分な準備運動を行い、軽い強度でゆっくりと運動を行いましょう。
高齢者では、動きの速いエスカレーター、ショッピングモール、人通りの多い道などでは、バランスを崩す危険が高まります。以上にあげたような転ぶ危険が高い方に対しては、乗り移りの際にお手伝いをお願いすることや、ご家族や介護者の方が頻回に見守るなどし、ご自身とご家族あるいは介護者の方の両者が転ぶことに対して、意識づけを行っていきましょう。