薬局だより
季節性アレルギーと通年性アレルギーのお話①
薬局 薬剤師 小林 正人
今回はどのような物質が原因となってアレルギーを引き起こすのか、またその症状についてお話していきます。
・季節性アレルギーとは、1年の特定の時期にだけ出現する、花粉のような空気中に含まれる物質が原因で起こるアレルギーです。
季節性のアレルギーはスギ花粉による花粉症のイメージが強く、春だけと思う方も多いと思われますが、季節性のアレルギーは年間を通じて症状が出るアレルギーです。春、夏、秋といった特定の時期に発症します。症状としては、主に鼻の粘膜の炎症によるアレルギー性鼻炎、まぶたの粘膜や結膜の炎症によるアレルギー性結膜炎などがあります。
花粉のシーズンは地域によりそれぞれ異なります。春先には、スギ・ヒノキなどから、初夏にはカモガヤなどのイネ科の植物から、また夏の終わりにはブタクサやヨモギなどのキク科の植物からから花粉症の原因となる花粉が飛びます。国内だけでも60種類もの花粉の被害が報告されています。アレルギー反応を引き起こす花粉の種類は、人によってまちまちです。何種類もの花粉に反応を起こす人もいて、花粉アレルギーが春の初めから秋の終わりまで続く人もいます。
・通年性アレルギーは、ハウスダストなど空気中に浮遊した物質が原因で起こります。

通年性アレルギーは、季節に関係なくいつでも発症し1年中続きます。多くはハウスダストに対する反応です。ハウスダストには、(1)カビや細菌、(2)織物の繊維や鉱物類、(3)動物の毛やフケ、(4)チリやダニ、(5)昆虫の死骸、(6)タバコの灰などが含まれ主に塵(ちり)やダニがハウスダストアレルギーの原因とされています。
通年性アレルギーにはアレルギー性鼻炎が多く、結膜炎などの眼の症状はあまりみられません。しかし、ある種の物質が眼に入るとアレルギー性結膜炎を起こすことがあります。その物質とは、点眼薬、アイライナーやおしろいなどの化粧品、毛染め剤などです。コンタクトレンズの洗浄液も化学アレルギー反応の原因になることがあります。
※季節性アレルギーと通年性アレルギーのお話②へつづく(8月号にて、アレルギーの治療薬についてご紹介します)。