突然死について
副院長・救急センター長 赤間 洋一
9月は救急月間ですので"突然死"について述べたいと思います。突然死とは、一見健康そうな人が内因的疾患により急に具合が悪くなり、24時間以内に亡くなってしまうことです。突然死は大人に限らず赤ちゃんからお年寄りまで、あらゆる年齢層に発生します。赤ちゃんに起こるものは乳児突然死症候群と言われております。これは、生後2~8ヶ月が好発時期で、うつ伏寝、人工乳、家族の喫煙などが関係していると言われておりますが、詳細については不明です。青少年層に起こる突然死はいわゆる"心臓麻痺"と言われるもので、不整脈(ブルガダ症候群やQT延長症候群)が原因となっております。成人では心筋梗塞などの心疾患が、老人では脳卒中が多くみられます。また最近では、胸部や腹部の大動脈瘤が破裂する症例が増加しております。
突然死をもたらす危険因子としては喫煙、肥満、塩分摂取、ストレス、アルコールの過量摂取などがあげられます。これらの危険因子を複数有する場合はハイリスクとなります。従いまして、突然死を予防するためには禁煙、適正な栄養管理、血圧のコントロール、定期的な検診が極めて重要となります。
もしあなたの目の前で急に倒れた方に遭遇したらどうしますか?まず第一に119番に通報し、救急車を依頼します。次に心マッサージを行います(人工呼吸の必要はありません)。周囲の人に応援を求め、近くにAED(自動体外式除細動器)があればそれを利用して下さい。
死の淵から生還させるためには、あなたの協力が必要です。

救命リレー