薬局だより
読書の秋~目薬について~
薬局 薬剤師 小林 正人

連日猛暑だった夏が過ぎ、秋になりました。秋と言えば、『○○の秋』とよく言いますが、今回はその中でも『読書の秋』に関連して、目薬についてのお話をしていきたいと思います。
●2種類以上の目薬がある時の正しい使い方
疑問に思っている方の多い、ドライアイとアレルギーなど2種類以上の目薬を使用するときの順番についてお話していきます。
基本は、最後に一番重要な(一番効いて欲しい)薬を差すのがポイントになります。ただし、医師から順番の指示がある場合は、必ずその順番に従って下さい。

◎順番
①目薬のふたを取り、容器を利き手で持ちます。
②上を向いてもう一方の手で、下のまぶたを下に押し下げ、液を入れるスペースを作ります。上下のまぶたを押し開くようにする方もいますが、それでも構いません。
③そのスペースに目薬を1滴差します。溢れた液は、清潔なハンカチやティッシュで拭き取りましょう。
④目を閉じて3~5分程ゆっくりします。これは、目薬の成分を吸収させるためです。時間がとれない場合は1分程度でも構いませんが、なるべく3分位はとりましょう。
⑤さらに一番効いて欲しい目薬を同じように差します。また、同様に目を閉じて3~5分間ゆっくりします。懸濁(けんだく)型の目薬(濁っていて、振って使う目薬)は、吸収が遅いので、原則的に一番最後に使いましょう。
※目薬を差すときには、まず手をきれいにしましょう。目を触る際に菌が入って、炎症を起こすことがあります。
●なぜ効いてほしい目薬を最後に差すのか?
1つ目の目薬を差した後、3~5分置くことで、1つ目の目薬の効果は吸収させますが、そこで2つ目の目薬を差すと、1つ目の目薬が洗い出されてしまうことがあります。
最後の目薬は、次に目薬を差す時間までには成分が少し薄まるとはいえ、目の中に一番残ることになります。そのため、一番効いて欲しい目薬を最後に差すことが良いと言われています。
※目薬は、ドラックストアで手に入りますし、使いやすい薬です。しかし、大切な目を守るためにも、正しく使って下さい。目薬のことで悩みや不安があれば、薬剤師にお問い合わせ下さい。