認定看護師コラム
救急の日2020
救急看護認定看護師 西谷 佳功
9月9日は「救急の日」です。それにちなんで今回は、心肺蘇生法についてお話ししようと思います。
心肺蘇生法とは、心肺停止した傷病者に対し、命を守ることを目的とした処置のことです。みなさん、心肺蘇生法についての講習を1度は受けたことがあるのではないかと思います。毎年当院でも9月9日に「救急の日」として来院した患者さんやその家族の方へ向けた講習を実施しています。その際に「自動車教習所で習った。」「会社の研修で習った。」などの声をよく耳にします。熱心な方は、最寄りの消防署で行われている研修に定期的に参加されているそうです。心肺蘇生法の普及は進んでおり、現在は小学校でも命の授業として、学習の機会が設けられている所があるそうです。
心肺蘇生法は手順が決められています。その手順は、ガイドラインに基づいているものです。内容は5年ごとに改訂されています。2010年のガイドラインでは、胸骨圧迫が「1分間に100回のテンポ」となっていましたが、2015年のガイドラインでは「1分間に100~120回のテンポ」となったり、胸骨圧迫の深さについては、2010年は「5cm以上」となっていたものが、2015年は「5cm以上6cmは超えない」となっていたりとより細かく定められるような変更が行われています。また、「中断を最小限にすること」や「呼吸の確認に迷ったらすぐに胸骨圧迫を開始する」など、より強調された箇所もあります。さらにスマートフォンの普及により、「119」通報をし指令室からの指示をスピーカーモードにすることで、処置の手順を確認しながら心肺蘇生法を実施することも可能となってきています。
今後も心肺蘇生法のガイドラインは改訂されていきます。“大切な命を守るために正しい知識を習得していただきたい”この記事が救命講習を受けてみよう、ガイドラインを読んでみようと思えるきっかけとなれば幸いです。