南東北看護師コラム
脳梗塞は夏に多い???
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 澤邉 晃永
今年の夏は亜熱帯地方の様相を呈するのではないかと報道されています。蒸し暑い日本の夏は、暑さに慣れている国の人々も根を上げるそうなので熱中症対策が重要です。今回は、厳しい暑さが続く夏は脳梗塞に注意という話です。
脳梗塞とは、脳に血液を供給する血管が詰まることで脳細胞が死滅し、命の危険を及ぼす可能性がある病気です。脳卒中データバンクによると、脳梗塞全体の季節別発症数は冬に比べて夏が多くなっています。
病型分類別の解析ではラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞の発症は冬に比べて夏に多く、心原性脳塞栓症は夏に比べて冬に多かったとあります。 この季節差の理由についてはラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞の発症には、夏季の高温による脱水が関与しているのではないかと推察されていました。 コロナウイルスの感染症法上の分類の変更により、以前より行動的になることが予想される今年の夏は、今まで以上に脱水症状に注意したいものです。
※春:3-5月 夏:6-8月 秋:9-11月 冬:12-2月と定義した
【参考文献】脳卒中データバンク2021 P134-137