南東北看護師コラム
マダニによる感染症について
感染管理認定看護師 熊谷 亜希
マダニは吸血源であるシカやイノシシなどの野生動物が出没する環境に多く生息していますが、民家の庭や裏山、畑など身近なところにも生息しています。春から秋にかけて活動が活発になり、刺される危険性が高くなります。 マダニに刺されると、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ダニ媒介脳炎、日本紅斑熱、ライム病などの感染症を発症することがあります。感染症から身を守るには、「刺されない」ことが一番重要です。
草むらや山林など、マダニが多く生息する場所に入る場合のポイント
●長袖、長ズボンを着用する。(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる)
●足を完全に覆う靴を履く。(サンダル等は避ける)
●首にタオルを巻く、帽子や手袋を着用する等、肌の露出を少なくする。
●マダニを見つけやすいように明るい色の服を着る。
●虫よけ剤をムラなくたっぷり塗る。(汗をかいたら塗りなおす)
野外から帰宅した後は入浴し、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)などがマダニに刺されていないか確認するようにしましょう。
もし刺されていることに気付いた時は、皮膚科などの医療機関で処置をしてもらってください。無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚の中に残って化膿したり、体液が逆流して感染症を引き起こすおそれがあります。 刺された後、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けて下さい。
また、飼い犬などがマダニを持ち帰ってくる事もありますので、散歩後はブラッシングをし、マダニが付着していないか確認するようにしましょう。
ハイキングなどのレジャーで野外へ出かけることが多い季節です。正しい対処をして自分の身を守りましょう。
【参考】厚生労働省 ダニ媒介感染症 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164495.html