南東北看護師コラム
認知症介護の工夫~テキトウだっていいじゃない~
認知症看護認定看護師 山田 愛実
今回は認知症介護の心構えをお伝えしたいと思います。
ご長寿が進んだ現代において、認知症は老いと共に必ず訪れるもの、といっても過言ではないと思います。 認知症になるまいと予防を頑張っている方、認知症になって絶望してしまう方、認知症と共に生きていく覚悟を決めた方、様々な方がいらっしゃいます。
そんな認知症の当事者を支えるご家族もまた、当事者の方の一喜一憂に心を痛めていることと思います。
認知症当事者を介護するときの基本的姿勢は ア:慌てない イ:急がない ウ:嘘をつかない(介護者都合での嘘) エ:笑顔で オ:穏やかに が良いと思います。
もちろん、これだけで全てが解決するわけではありません。認知症当事者の方は、日々起こる不思議な出来事と戦っているのです。その心理に寄り添う方法として、このアイウエオを提言しています。
しかし、ご家族の方も心がいっぱいになってしまうことがあります。これは誰しも起こることであり、実際に私自身も経験があります。そんな時は、思い切って介護のプロに任せてみる等、手抜きをしましょう!
ご飯を食べないと悩んでいる方、食べられるときに食べれば良いと思いませんか?おやつでも良いと思いませんか?怒りっぽくて困っている方、当事者に怒る元気があるのであれば、まだまだ出来る事もあるのではないでしょうか。 徘徊してしまうという方、徘徊しても見つけてもらえる仕組みがあれば良いと思いませんか。
当事者の方の安全や健康を保とうと必死になる余り、がんじがらめにしてしまうとかえって逆効果です。当事者の方にとって、何が一番幸せなのか、ご家族にとって当事者がどうなる事が良いのか、ご家族だけではなく、当事者を取り巻くみんなで考えられると良いですね。