薬局だより
頭痛について
薬局 薬剤師 石田 和
今回は頭痛のお話です。一言で頭痛といっても、起こる場所、痛み方、原因などは様々です。今回は代表的な慢性頭痛の種類とその治療薬について触れたいと思います。
●頭痛の種類と特徴
代表的な慢性頭痛について
原因・特徴 | 日常生活での対処法 | |
片頭痛 | 頭の血管が拡張し、周りの神経が刺激されて頭痛が起こる。耐え難い痛みが特徴でストレスやホルモンの変化などが引き金となる。 | 頭痛の引き金になる原因を避ける。ストレスがたまらないような工夫。規則正しい生活習慣への改善。 |
緊張型頭痛 | 日本人の20~30%が悩まされているのが、この頭痛。締め付けられるような圧迫感、持続性のある痛みが特徴。精神的ストレスや、姿勢異常等の身体的ストレスが原因。 | 精神的・身体的ストレスを取り除く事が大切。筋肉をほぐす、軽い運動をする等、筋肉の緊張を緩めるような工夫。 |
群発頭痛 | ある一定期間は毎日頭痛がする。といったようにまとまった期間に頭痛が起きる。男性に多いとされ、就寝中にみられる事が多い。 | 発作期間中は、飲酒により頭痛が誘発されるため、発作期間中のアルコールは要注意。 |

※この他に、くも膜下出血に代表される脳の病気から起こる頭痛では、今までに経験した事の無い激しい頭痛や、めまい・しびれ・言葉がうまく出ない等の色々な症状を伴う場合があります。この場合はできるだけ早く病院を受診する事が大切です。また、風邪や二日酔い、アイスクリームを食べた時の頭痛等、日常的に起こる頭痛もあります。
●頭痛の治療薬について
片頭痛治療薬・・・血管を収縮させるような薬剤が主に使われます。今回は代表的な薬剤をあげます。
■エルゴタミン製剤
―片頭痛は脳の血管が拡がることによって起こるので、血管を収縮させる作用のあるエルゴタミン製剤が使用されます。発作が出てから服用してはあまり効果がないので、頭痛の前ぶれが起こったときや、痛みはじめたらすぐに服用すると効果的です。
■トリプタン系薬剤
―片頭痛には、脳内のセロトニンという物質が関係していることが知られていますが、この薬剤は、セロトニンと同じようにはたらき、脳の血管を収縮させ、神経の炎症を抑える事で、効果を発現します。頭痛の症状が出てから服用しても効果があるとされています。
緊張性頭痛治療薬・・・痛みや炎症を抑えるバファリン等の鎮痛剤や筋肉の緊張をほぐす薬、血行を良くする薬などが使われます。
群発頭痛治療薬・・・片頭痛で使用されるトリプタン系やエルゴタミン製剤が使用される。通常の鎮痛薬は無効とされています。
☆薬によって飲み方や効き方に違いがありますので、主治医の先生とよく相談して決めましょう。