ワンポイントリハビリ
高齢者の骨折予防
リハビリテーション科 理学療法士 蛯名 亜衣
高齢者の骨折の最多原因は転倒です。もともと高齢者の転倒は多くみられ、それによる外傷自体は少ないようですが、これに骨粗鬆症による骨の脆弱化が伴うと、わずかな外力によって骨折を生じます。そこで、転倒を予防する環境の整備と、転倒しても骨折しにくいように骨粗鬆症を予防することが大切です。
≪居住環境の整備≫

●ベッドや椅子は、膝よりも高めにすると立ちやすいです。
●スリッパは避けましょう。
●敷物には滑り止めをつけましょう。
●電源コードや座布団はつまずきやすいため、注意しましょう。
●新聞紙やスーパーのレジ袋も乗ると滑るため、床に置かないようにしましょう。
≪骨粗鬆症の予防≫
●抗重力位(座位・立位)を維持しましょう(最低毎日合計2時間以上)
●カルシウムを摂取しましょう。1日800mgが目標(例 牛乳800ml程度)
*乳製品はカルシウムの吸収率が良い食品です。
小魚はカルシウムの吸収率が劣り、塩分が多いので注意しましょう。
●日光浴をしましょう(1日20分程度が目安)
以上のことを参考に、環境を整えることで転倒を予防し、骨粗鬆症を予防することで転んでも骨折しにくい体づくりを目指しましょう。