ワンポイントリハビリ
うつ病について
リハビリテーション科 作業療法士 渡部 美江子
脳卒中の患者さんは、不安や苦悩を抱きやすく、うつ病を生じやすいとの報告があります。そこで、そのような兆候がみられた際にどのような関わり方が必要かを取り上げたいと思います。
うつ病は、情動(抑うつ気分、希死念慮)、意欲低下(食欲低下、体重減少)、思考(罪業妄想・貧困妄想・心気妄想)や早朝覚醒といった症状がみられます。この治療方法として、薬物療法・精神療法があります。うつ病の症状は「怠け」ではなく病気であること、治療により必ず治るので焦らないこと、休養が大切であることを理解することが大切です。

【ポイントとなる特徴】
① 心身ともに疲労状態にあり、活動を行うことの負担が大きい
② 思考や動作の抑制・制止状態にある
③ 活動を行ったとしても、以前との能力の差を感じ自己否定感の感情を強くしがちである
④ 判断・決定が困難な場合がある
【うつ病の方との関わり方】
(1) 休憩をとるようにする(疲労させない)
(2) 焦らせない・焦らない
※安易な励ましは避ける→つらい気持ちを共感することは大切であるが励ましは焦りや自責感を強める可能性がある
(3) 人生の進路に関する決定を延期させる
(4) 再発の徴候を見逃さない(早朝覚醒や食欲低下、疲れやすさ、朝の気分の不調、趣味などに対する関心の低下など再発の徴候を発見した時は早めに受診する)
うつ病の症状が多くみられた際には、早めに専門家へ相談することが大切です。